アーユルヴェーダ染め

ayurclothの布の種類と特徴

ayurclothでは、南インドの機織り産業と文化を守る活動をしている現地NGOを支援しています。
そのため、全ての製品はGOTS認証を受けたオーガニックコットン100%の手織り布で作られています。(布ナプキンのネル生地は除く)
テキスタイルの加工段階から、全く化学処理を施さないアーユルヴェーダ染めで染色しています。
最大の特徴は、染色工程で薬草を使用するだけでなく、糸や布の前処理から後処理の段階においても化学的な薬剤を全く使用しない昔ながらの技法でテキスタイル加工されている点です。
数百年前の布作りの技法を忠実に現代に復興させることで、環境にも人にもやさしい布作りが可能となりました。

カディコットン(Hand spinning&Hand woven)

カディコットン・シリーズは、無農薬綿花を手紡ぎで糸にし、手織りした布を使用しています。
カディコットンは、イギリス植民地時代に、ガンジーがインド人の自立を促すために機械織り綿布に対抗する手段として手紡ぎ手織り綿布を広めたことから始まりました。
手紡ぎ糸は、よりが不均一のため、独特の風合いがあり、吸湿性、速乾性に優れ、風を通しやすく涼しい。冬は布目に空気を含むため暖かいという優れた特性を持っています。オールシーズン着られる布地です。

Plane・Basicコットン生地(Hand woven fabrics)

Planeシリーズ、Basicシリーズは、機械紡ぎ糸の手織り生地です。
手紡ぎのカディに比べると、薄手で生地表面の滑らかさが特徴です。
いずれも手織り生地ですので、洗うほどに柔らかく肌に馴染んでいきます。

アーユルヴェーダ染めと草木染めの違い

インドのアーユルヴェーダ染めと日本の草木染め。どちらも植物を使って、布を染める染色方法です。
草木染めでは、季節の花々や野草、玉ねぎの皮などで、様々な色出しを楽しみます。
草木染めは「色ありき」の誰もが気軽に楽しめる植物染めです。

アーユルヴェーダ染めは、インドの伝承医学であるアーユルヴェーダの理論に基づき、様々な薬草やスパイス、木の根などを配合して布を染める植物染めです。
ayurclothの現地染め工房は、インド王朝時代に王族直属のアーユルヴェーダ医師を務めた家系の一族が運営しています。アーユルヴェーダ医師でもある彼らの先祖は、王族の健康管理のためにアーユルヴェーダ染めの衣服や寝具を使っていました。
日本で、薬を飲むことを「服薬する」とか「服用する」と言います。
衣服の服の字は、ここから来ているという説があります。
衣服に薬理作用があることを、昔の東洋人は知っていたのでしょう。
インド王朝時代も、王族たちはアーユルヴェーダ医師が調合した植物染めの衣を纏い、衣服からの薬効を享受していました。
ayurclothでは、伝統的なアーユルヴェーダ染め技法そのままに、生地の加工段階から染色段階まで、全く化学処理を施さない昔ながらの方法で、布作りを行っています。

アーユルヴェーダ染めの特徴

特徴1:アーユルヴェーダの知識に基づいて、アーユルヴェーダ医師が薬草の配合を決める。

アーユルヴェーダ染めでは、まず「薬効ありき」です。
そのため、伝統的なアーユルヴェーダ染めでは、アーユルヴェーダ医師の資格を持つドクターが調合しなければなりません。
どのような色に発色させるか考えると同時に、どのハーブの効能を全面的に引き出すかを考えます。
それによって、メインとなるハーブを決定し、次にメインハーブの効能をサポートするハーブやスパイスの配合を調整します。
2,000種類以上の薬草やスパイスから、薬効と発色を考えて調合されるアーユルヴェーダ染めには、医師の資格が必要です。

特徴2:多種類の薬草やスパイスを使って、一色の色を出す。

アーユルヴェーダ染めでは、一色の布を染めるために、40〜60種類の薬草やスパイスを使用します。
例えば、ターメリックイエローは、黄色の布ですが、ターメリックの他に、ニーム、トゥルシー、アロエベラなど約50種類もの薬草が配合されています。
黄色だからターメリック、ピンク色だからインド茜と、単純に行かないのがアーユルヴェーダ染めの複雑さと奥深さです。

特徴3:化学薬剤を使用しないテキスタイル加工

ayurclothの現地布工房では、昔ながらのテキスタイル加工技法をそのまま現代に復興させ、製造加工しています。
そのため、精錬・漂白・媒染・仕上げなど全ての工程で、化学薬剤を使用しません。
例えば、精錬、漂白課程では、界面活性剤や漂白剤を使用せず、天然サポニンを含むソープナッツやアロエベラなどで布や糸を柔らかくしたり漂白したりします。
色落ち防止や柔軟にも、薬草を使います。
そのため、どうしても一般的な生地と比べて、色落ちがあります。
防縮加工や形状記憶加工もしないため、縫製や裁断が難しく、大量生産することができません。
このような昔の技法そのままのどこまでも手作りの布は、現代日本では手に入らなくなった貴重なものです。
自然な加工を施した布は、最初は多少の固さがありますが、洗えば洗うほど柔らかく、肌に馴染んでいきます。
布を育てるつもりで、末長くご愛用頂けますと嬉しく思います。

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